アガベを簡単に速く育成する方法を、複雑かつ分かりづらい文章で解説する
- 2023.11.16
- 未分類
こんにちは!よしのぶです
今日は前から質問の多かった植物の育成方法について簡単に解説していきたいとおもいます
もう半年以上前から夏の羽虫のように飛んでくるDMに「気が向いたらブログで解説するのでおまちください」と無心でコピペ返信を続けていたので、おそらくマジでちゃんと待ってた人も一定数いるかもしれません
大変おまたせしました!
がんばって是非最後まで読んでください
はじめに
さて、30歳の誕生日にサボテンを買ったのをきっかけにエアプランツ→多肉→塊根・灌木→アガベ→ビカクと
いくつかの園芸カテゴリを渡り歩いてきた無職ですが、そんな僕が今や32歳ということで園芸スタートからほぼ2年が経過したことになります。
アガベを始めたのは去年の夏で、ビカクシダは今年の夏から
(※一部塊根と平行して、付き合いでとりあえず買って庭でパキプスと一緒に放置してた白鯨とか姫厳龍とかレッドキャットだけは一応2年くらい所有してることになりますが、当時LEDが高すぎてアガベに使うのがもったいないと思ってたので輸入株の室内育成を始めたのが去年の夏から)
なのでこれから”育成とはなんたるか”みたいなこの道20年の大ベテランの如き断定的で自信に溢れた文章が数千文字続くわけですけど
「でもこれ書いてるの完全に園芸初心者なんだよなぁ」という意識だけは忘れずに読んでください
このブログを書いてるのは園芸の達人でもなんでもなくて、最近草を始めただけの引きこもりゲーマーです。
めちゃくちゃ理屈っぽい文章で、さも植物の生態に詳しい研究者が綴った成果物のように映るかもしれませんが、残念ながらn=1の「ソースは俺」でしかない小学生の自由研究程度が精々の出来栄えには変わり有りません。
「小学生にしては自由研究がんばって偉い!」っていう目線でお楽しみください
爆速育成
というわけで本題
爆速育成についてざっくり紹介します
アガベもビカクも子株の状態で購入して育成を楽しむというのが(一部の現地球を除いて)一般的な形式だとおもいます
もちろん園芸の楽しみ方なんて人それぞれなんでマジョリティに合わせる意味は全くないんですが、単純に数値だけで判断するのであれば、
「室内LEDで」「コンパクトに」「速く」育成したい、というニーズが最も大きいことは純然たる事実ですので
まぁどうせ店舗出すならちゃんと市場価値の高い商品を提供しようということで上記3つの条件をどこまで最適化できるかを検証するところからアガベの育成をスタートしました。
誤解を招くといけないのが飽く迄「室内LEDで」「コンパクトに」「速く」を同時に満たす範囲での成長速度の高速化の話になりますので、
「短期間にどこまで直径を大きくできるか」とか「鋸歯が多少弱くてもとにかく速く鉢増ししたい」という内容とは真逆のゴール設定をしています。
例えば南アフリカダイヤモンド(SAD)は1年育成でだいたいこんな感じ
プレステラ120にちょうどのサイズ感なので直径は11cm前後
速く育成するとは言ったけど、SADらしい鋸歯の面積比率やトップにかけて丸みのあるラインをキープしたシルエットが最優先であることは言うまでもなく大前提
逆に「鋸歯の厚みを犠牲に、更に成長速度を求めたケース」として一つ失敗事例を紹介すると
こちらも1年育成のシーザー
見てわかる通り、この大きさ(直径18cm)のシーザーとして鋸歯だけを見るとはっきり「弱い」です
つまり1年育成として見れば「普通」の鋸歯のまま、葉数だけが増えていって全体のシルエットがまるで3年育成の成株として整ってしまった結果
「なんか鋸歯弱くない・・・?」な見た目になってしまった状態
そしてこっちもまた1年育成の海王
これはシーザーでの失敗経験をもとにちょこちょこっと環境調整して葉の展開を意図的に遅らせた育成株で、
シーザーほど「なんか葉数の割に鋸歯弱くない・・・?」という印象を抱く人は少ないのではないでしょうか
時系列的には最初にシーザーで失敗して海王で改良の方向性を確認し、SADでやっと狙った地点に着地できた感じ
つまりここから紹介する育成方法をミスると、
あなたの大事な大事な子株は1年後に上の写真のシーザーみたいな見た目になってしまう可能性があるということです
仮にSADで失敗した場合には鋸歯が弱くてなんか先端のほうもシュッと伸びてる謎株が爆誕してしまう事態は避けられませんので、この記事の内容を実践するかどうかは自己責任でくれぐれも慎重に判断してください。
光合成
結論から言うと「成長速度を最速化する」というのは「光合成の効率を最適化する」のとほぼ同義になります。
植物の体組織は色々な成分で構成されていて、葉の繊維質はセルロースで、鋸歯の部位にはヘミセルロースやフェノール化合物であるリグニンやペクチンが多く含まれていたり・・・
まぁそこら辺の基礎知識は各自ググってもらうとして
セルロース:(C₆H₁₀O₅)n
ヘミセルロース:(C5H8O4)n 、(C6H12O6)nなど
つまり植物にとってCとHとOは、体の外側も内側もほとんどすべてを構成するために必要な最重要元素
H2OとCO2を取り込み、光合成によってそれらCとHとOを高分子物質に作り変えるわけですから
「光合成の効率は落ちたけど植物体の体積の伸び率は改善された」なんてことは起こり得ません
人間でいうと「カロリーを摂取してないのに体重が増えた」と言ってるのと同じです
とにかくCとHとOを取り込まない限り植物の体積が増加することはありません
すごくわかりやすいグラフを見つけたのでご紹介します
2022年のまとめ①~光合成、呼吸と収量ー(株)静岡アグリビジネス研究所
2分で読める記事なので是非目を通してください
この記事の最後の方に「収量と純光合成量に相関が取れていること」がわかるグラフが示されています。
同様の研究結果はトマトや大豆や米やイチゴなどの多品種で確認されており、現在のハウス農業に於いて純光合成量を最大化することこそが正義と言っても過言ではないでしょう
また、「光合成促進機 導入率」や「CO2 施用」などのワードでググってみると
農林水産省や各県の公式HPからPDFがいくつもヒットして、どの地域でどの品種に対して収量に対する光合成促進の効果がどの程度確認されているのかという具体的な数値データが一目で確認できるかと思います。
私達が普段口にするイチゴやきゅうりやトマトは環境制御技術によって人為的に光合成効率を高めたハウス内で栽培されているものです。
一般のハウス農家に普及した技術をそのまま植物の室内育成に転用するだけなのでこれほど簡単なことはありません
令和に生きててよかった!
そうと決まればとりあえず実験です
その辺に転がってたアクリルケースにCO2を充填してプレステラ120とセンサーいれたまま経過観察
24時間のデータログを2週間とりながらどの条件がアガベにとって最適な光合成環境なのかを検証しました
24時間ログで最大1700ppmのガス注入した状態から計測開始したのに密閉容器内で最小600ppmまでCO2濃度が減少してます
しかも時間帯によって一回600まで下がってまた1800まで増えたあとに再度600まで来てる
CO2を消費して酸素を吐き(光合成)、その後呼吸によってCO2を排出してまた光合成を行ったということですね
C3植物と違ってアガベはCAM型に分類されるので、時間帯ごとにフェーズ1から4で区切って様々な条件下でCAM性(1日の光合成量に占める夜間の同化量の割合が上昇傾向に向かう性質)が変化することはこれまでも一般的に知られていたけど、
このCAM性を左右する条件が想像以上に複雑で結局おおまかな特定まで2ヶ月近くかかりました
っていうか厳密にはまだ完全な特定には至っていません
光合成の1日あたりの収支を最大化するための条件
・温度
・飽差
・養水分
・PPFD値
・風量
・照射時間
この6つの条件のうちCAM性を一番大きく左右する項目が照射時間っていう説(CAM型光合成の説明によく使われる某パイナップルの論文)がこれまで有力で、僕も1ヶ月くらいずっと照射時間を弄って短日条件と長日条件での同化量グラフの差を比較してたんだけど
結局これが半分間違ってて「照射時間と気温変化の複合条件」でCAM性が変化してるらしい(=植物は受光量で昼夜を判別してるわけじゃなくて気温と光量両方が適切に変化することで初めて植物の体内時間を調整できる)ことが発覚
それで急いでワインセラーの中に保管してたワインを一気飲みして空室にしてから、空いた場所にアガベをぶちこんで
何時間+何℃+何PPFD(昼間環境)と何時間+何℃+0PPFD(夜間環境)の周期が最適条件なのかひたすら検証を続けてる段階です。
例:10時間照射+25℃から14時間消灯15℃を1日として、照度と温度の変化をどの程度緩やかに調整するべきかを計測
→どのLEDを何cmの照射距離であてたときの同化速度が最速なのか、最適なCO2濃度も合わせて確定。
→飽差と風量による同化作用への影響を補正
→クロロフィルと気孔関連の元素(Mg,Fe,P)の施用効果を測定
→硝酸態窒素、アミノ態窒素の投下反応を見ながら拮抗作用に注意して微量元素を調整
→照射時間を12時間に変えたり、夜間温度を18℃に上げたりして最初からやり直し
もう本当に終わりが見えない実験で変数が多すぎて余裕で1年はかかりそうだし、
最後の窒素投下量ミスって15万円の株が芯腐れ引き起こしたときにはもしかして自分は悪夢を見てるのかもしれないって思いました。
その一週間後には別の15万円の株を同じミスで芯腐れさせてなんだやっぱり夢か^q^って思ったけど今僕の手元には芯腐れで成長点すっぽ抜けた高級株が2本あります。不思議。
これは仮定でしかないけど、多分普通はゆっくり新しい葉が作られて、その時に必要な栄養素が足りない場合はほとんどの元素で下葉から転流して運ばれてくる(=だから基本的に下葉の先端から枯れる)んだけど
CaとかBとかは再転流されなくて下葉から代用できない&窒素との拮抗作用もってて高濃度の窒素が入ると欠乏症のトリガーになるので高代謝条件に高濃度窒素が重なって下葉じゃなく成長点の内側から重度の欠乏症を引き起こした結果芯腐れになったんじゃないかと思います
あと一応現段階で既に可視化できたプラス面での成果としては、1800ppmまでCO2充填してワインセラーにいれたセンサーの24時間ログで350ppmの記録が残ってるので
少なくともCO2濃度が600ppmまでしか減少しなかった最初の長日条件(14時間照射)29.4℃の環境の時よりは純光合成量は確実に増えてました
それとフェイズ1の光合成量が増えてフェイズ4で減少してたからCAM性も上がってると言えるかも(こっちはまだ試行回数少なすぎて揺らぎが補正できない)
ちなみにこの時実験で使ったアガベはプレステラ120深型にジャストフィットでまだ活着もしてない状態から2週間で葉が4枚展開してて速すぎワロタwwwwそりゃ欠乏症も起こるわ
それと思ったより差が出た要因としてはLED
これまで植物用LEDを100万円分以上買って色々試してきたんだけど、シンプルに電球タイプが強いです
まず家の電源をちょこちょこっと弄って変圧器いれて海外と同じ115V電圧に強化した状態にオリジナルで作った超強化カスタムパネルLED(マーズハイドロTSL2000より一回り小さいのに300W消費とかいうクソ燃費)を繋げてイカれた照明環境を作ったんですが、結論としては同距離での比較でHASU38とそう大差ない同化作用でした。
HASU38・・・すごい!言うまでもなく通常の2,3万円のパネルLEDと比較すると圧倒的にHASUが強いです
そして電球タイプもオリジナルで24Wと30WのLEDを工場に発注して作ってもらったんだけど、それは流石にHASUより強かったです
多分あのリフレクターがPPFD的な優位を作ってるじゃないかと想像しています
ちなみに30W電球がHASUより強いのは強いんだけど、ただほとんどの温度・炭酸ガス濃度の条件においてはHASUの段階で既に光飽和点に到達間近って感じだったのでよほどシビアに環境制御できる限定条件でしかオリジナル電球の強み活かせなくてオワタ・・・
光飽和点
植物の光合成において、光の強度が上がると光合成速度が速くなるが、ある強度以上では飽和状態に達し、それ以上速くはならない。その光の強度のこと。また、このときの光合成速度を飽和光合成速度という。
小学館デジタル大辞泉
光飽和点についてググってみると、概ねどの辞書でもこのように定義されていることがわかります
これだけ見ると「光合成速度って光の強度をあげていけば速くなるんだ!」となりますが、もちろんそんなことはありません
上記リンクを開いてもらえたら光合成速度の制限要因について箇条書きでいくつかの項目が列挙されています
一応注意するとこれは室内水耕栽培で非結球レタスとかそのあたりのC3植物を栽培する前提での光合成に関する記事ですので、もちろん高山性CAM型植物とされるアガベと全く一致するというわけではありません。
ルビスコ活性とか適正CO2濃度とか温度・飽差に関する記述は一部適正値の値がアガベ・多肉・塊根とはだいぶズレます
それら注意点を留意した上でも、なんか光合成速度を決定する要因っていうのは色々あるんだなと
上記リンク先の文章内でも窒素とかリン酸とかカリウムとか、皆さんが普段使用している肥料でも頻繁に目にする元素名が並ぶので
肥料って光合成のためにあげるものだったんだと、
だから肥料あげたら植物の成長が速まる(=光合成速度が上がる)んだと色々納得し易いかとおもいます
つまり光量とか炭酸ガス濃度とか温度とかその他全ての要因が十分条件を満たした状況では肥料こそが成長速度を速める最後のキーになると、肥料すごい大事じゃんって話です
肥料
というわけでLEDと同じくらい質問が飛んでくる人気ジャンル《肥料》について簡単に解説します
作物の生育をよくするため、土壌などに施す物質。欠乏しやすく、施したときの効果の大きい窒素・燐・カリウムを肥料の3要素という。有機肥料と無機肥料とに大別される。
小学館デジタル大辞泉
あーでもやっぱりその前に、肥料を解説する上で一番ケアすべき最優先事項《徒長》について5秒で簡単にまとめてみます。多分一回読んでもよくわからないプロット組になってるはずなので2,3回読み返してもらえたらだいじょうぶです。
まず「水をたくさんあげたら徒長する」とか「光が足りないと徒長する」とか
それらネット上に氾濫する徒長に関する様々な記述は8割嘘だと思ってください。
何度も繰り返してきたように、植物はCO2とH2Oを使って光合成により成長に必要な組織を生成します
植物の葉、根、茎、果実はタンパク質で構成されていて、そのタンパク質は20種類のアミノ酸から成ります
つまり光合成によって20種類以上のアミノ酸が生成され、それらが最終的に結合してタンパク質となって新しい体組織が構築されるという流れで、このあたりは普通に中学校高校の教科書に載ってる内容なので覚えてる方もたくさんいらっしゃることでしょう
その光合成によって植物の体内で生成される最初のアミノ酸が《グルタミン酸》です
詳しく知りたい方は「窒素同化」あたりのワードでググってもらえたら論文がいくつもヒットするので好きなだけ読んでください
とりあえず光合成で最初のアミノ酸《グルタミン酸》が作られ、そこからオキサロ酢酸とかピルビン酸とかホスホエノールピルビン酸、ホスホグリセリン、グルコース6リン酸と、まぁ色んなアミノ酸に派生していくと考えてもらえたらざっくり正しいかと
そんな《グルタミン酸》の化学式が C5H9NO4
CとHとOの他にNが入ってますね
つまり水と炭酸ガスだけでグルタミン酸は生成できません。N(窒素)を調達する必要があります
やっと出てきましたね窒素。長かった・・・
もうここまでの文章書くのでだいぶ疲れたので、植物の必須元素17種をこの調子で解説していくつもりはないし、あと気になるところは各自調べてねっていうのが正直な気持ちなんですが
せめて窒素だけでも簡単に解説しておくと、
窒素にも色々な種類があって、例えばハイポ原液だと窒素全量に占める約半分が《アンモニア態窒素》の形で含有されています。
この液肥の希釈水を鉢植えに対し適切な方法で灌水することで、液肥に含まれる《アンモニア態窒素》が用土内の微生物の働きによってアンモニウムイオンへと変化し、マイナスに帯電した植物の根に引き寄せられ、窒素同化作用や炭素同化作用を通してなんやかんやあってグルタミン酸(C5H9NO4)になります。
なんやかんやの部分を詳しく知りたい方は下記リンクを参照ください
さてこのリンク先のQ&A内には一箇所だけ気になる文章が出てきます
アンモニウムイオンは反応性が高く、例えば葉緑体の電子伝達反応を阻害するなどの害作用もあることから、吸収されたイオンのほとんどは根でグルタミンやグルタミン酸に同化され、その後、他の器官に長距離輸送されます。これに対して、硝酸イオンは植物に対する害作用はほとんどなく、吸収された後、液胞に一時的に貯蔵されたり、導管を介して地上部に運ばれ、葉緑体を持つ葉肉細胞などで還元されて、グルタミンやグルタミン酸へと有機化されます。
アンモニウムイオンに!!!!害作用がある?!!?!?!?
そう。植物の必須元素17種にはそれぞれ「過剰症」と「欠乏症」があって、摂取量が多すぎたり少なすぎたりすることで様々な生理障害を引き起こすことは基礎知識として大前提になりますが、
その上で「窒素過剰症」の害作用とは別に「アンモニウムイオン」としての害作用が存在します
(※イネとかブルーベリーみたいに硝酸態窒素よりもアンモニア態窒素のほうを好む「好アンモニア性植物」もあるので全ての植物に対して当てはまる傾向ではありません)
要約すると、肥料をあげすぎることで引き起こされるそもそもの窒素過剰症とは別に、その肥料の窒素全量に占めるアンモニウム態窒素の割合によってはプラスαの害作用が起こり得る、という話です。
「吸収されたイオンのほとんどは根でグルタミンやグルタミン酸に同化され」るはずが、流石にアンモニア態窒素の形で適正値を上回る分量の液肥を投下すると葉や茎に回ってしまうわけですからね
そしてその窒素過剰症とアンモニウムイオン過剰の結果引き起こされる現象が《徒長》です。
この見出し分の冒頭「肥料を解説する上で一番ケアすべき最優先事項《徒長》について5秒で簡単にまとめてみましょう」から何秒経過したでしょうか。僕はもう疲れたので何も書きたくありません
徒長
前述の通り「光合成によって20種類以上のアミノ酸が生成され、それらが最終的に結合してタンパク質となって新しい体組織が構築される」中で、植物体に吸収される窒素が多いとこのタンパク質等への変化が増大します
それはつまり光合成によって作られたアミノ酸や糖分が本来合成するはずだった細胞膜物質の生成が低下するということを意味します。
具体的に窒素の含有率が増えた場合に起こる事象は
・タンパク質への変化の増大
・細胞膜物質(ペクチン、セルロース、リグニン等)の生成低下
この2点です
1点目はいいことのよう見えます。タンパク質が増加するということは植物の体積も増えるわけですから、とにかく大きくなります。
ただことアガベに関して言うなら、成長点が中心部にある都合上いまから展開する新葉からいきなり大きくなろうとしたら当然外側を囲む下葉より中心部の上葉が横にも上にも大きくなって形は崩れて見えるので、園芸オタクからしたら可能な限り回避したい事態です。
というかこれが《徒長》です
あと残念ながらこの「タンパク質への変化の増大」を起因とした徒長に関しては、成長するのは主に茎や葉の繊維部分に限られます。アガベの葉先の鋸歯と呼ばれる部位については成長しません。
その原因は2点目の「細胞膜物質(ペクチン、セルロース、リグニン等)の生成低下」からも明らかです
Our study reports for the first time chemical composition (structural lignocellulosic compounds, and metabolomic profiling) of terminal spines of A. fourcroydes leaves, compared to fibers. Contrary to fibers, terminal spines are enriched with hemicellulose, pectins, and monolignol subunits, flavonoids, and condensed tannins.
Plants 2020, 9, 1642
というのもアガベの鋸歯はサボテンの棘とは違ってもろ「ペクチン・リグニン・ヘミセルロース・フラボノイド」の組成物ですからね
細胞膜物質を構築するはずだったアミノ酸と糖分を鋸歯じゃなくて葉のタンパク質の合成に回されるわけですから、これはもうはっきり言って世界の終わりです
プロテインをドカ食いしすぎた結果普通に摂取カロリーが高すぎて筋肉じゃなくて脂肪ついちゃったみたいな話です
さて、窒素過剰の結果一般の植物にとってあまりよくないこと、そしてアガベにとっては世界の終わりみたいな出来事が起こるということは、多分ちょっとだけ伝わったのではないでしょうか
僕はこの章の最初で「水をたくさんあげたら徒長する」とか「光が足りないと徒長する」という言説が間違っていると書きました。
これまで解説してきた通り徒長の直接の要因は(主にアンモニア態)窒素が過剰な状態にあることは間違いないのですが、「過剰」というのはもちろん適正なバランスがあるのにその基準を大きく上回る分量を摂取してしまった状態を形容する言葉になります
窒素過剰もつまりは「光合成で消費するために取り込まれた窒素が同化作用の範囲外で余分に蓄積している状態」ですから
仮に肥料を少量しか投下せずとも、その取り込まれた少量の窒素が十分に光合成で消費されないまま植物体内に残ってしまったのならそれは疑う余地もなく「窒素過剰」ですし、結果として普通に徒長します
すなわち窒素過剰かどうかは施肥の分量ではなく光合成の速度に対し適正な濃度の養分を供給し続けられているかという基準に則って判定されます
適切な濃度を超過することは罪です
そして光合成速度に対して過剰か欠乏かを判断するということは、
例えば植え替えで根を整理して根から吸い上げるH2Oが減って光合成速度が下がったり
光量が下がって光補償点を割ることで光合成速度が下がったり
逆に室内LED育成で光飽和点を超えて光合成速度を上げた結果室内のCO2濃度が下がって揺り返しのような光合成速度低下に見舞われたタイミングで
もし窒素だけが植物体に多く蓄積している状況に一時的にでも陥ってしまうのであれば、それは徒長の原因になります。
光合成の効率を上げた結果たくさんのCO2を吸収して、そのせいで室内のCO2濃度が下がって勝手に光合成速度が落ちて窒素過剰やらなんやらの生理障害に陥るって誰が聞いても馬鹿すぎる話ですけど
だからこそハウス栽培においては炭酸ガス施用が一般的な農業手法として普及してきたわけですね
千葉県・千葉県農林水産技術会議「トマト・キュウリにおける炭酸ガス施用の技術指導マニュアル」
つまり無数に存在する光合成速度を制限してしまう要因のどれか1つでもトリガーした段階で植物内に余分な窒素が残っていたらそれは窒素過剰、その瞬間から徒長が始まります!
イタリアやイランから2週間かけて日本に運ばれてくる成株、めちゃくちゃ伸びて届きます。
向こうのナーセリーでたっぷり養分を吸った状態からベアルートになって暗くて無風なダンボールの中いきなり光合成を止められるから
ただ2週間輸送でも子株は徒長しません。植物体内に溜めれる窒素が少なすぎるので
オアハカの山奥で引き抜かれた現地球、日本に届いて再発根するまで余裕で一ヶ月以上かかってるのに郵送中に成長点が伸びた形跡は一切ありません
現地に自生してたときから土壌成分的にそもそも窒素を満足に吸えてないので、光合成が急に止まっても窒素過剰に陥ることがないから
徒長が嫌なら窒素をやめよう(過激派)
もちろんこの記事では主にアンモニア態窒素に対してほんの少し深掘りして5秒で読めるぐらいの範囲を簡潔にまとめただけですので、画像の微粉ハイポのような《硝酸態窒素》を多く含む肥料だったり、またリキダスの《アミノ態窒素》みたいな他の窒素系肥料に関しては全く別のアプローチが必要になります。他にも《亜硝酸態窒素》とかもありますし、それぞれの窒素同士でも性質は大きく異なります。
そしてそれら全ての窒素に関する基礎知識を身に着けたとて、必須元素17種の内1種を浅く理解したにすぎません。
植物の成長速度をあげる=光合成を最速化する
→光合成速度の制限要因は温度・飽差・養水分・PPFD値・風量・照射時間
→これらの6つの条件の内1つが養水分
→その養水分を構成する必須17元素の内1つが窒素
→そんな数ある窒素の1つがアンモニア態窒素
こんな小さな小さな要因でしかないアンモニア態窒素の投与量を数ミリg間違ったが故にアガベは徒長して鋸歯の面積比率は減少し、果ては僕のお気に入りだった15万円の株が2本とも芯腐れで乙ってしまったわけなので、
言うまでもなく光合成速度の制限要因たる6つの条件はそのどれもが全て等しく植物の育成に大きな関与を持っていることになります。
さて、そんな果てしない前置きを踏まえて最後に今の僕の個人的な育成環境を紹介することで今回の自由研究発表の締めとさせて頂きます。
ぼくのかんがえたさいきょうのいくせい
まず前提としてアガベのプレステラ90サイズの子株での育成環境がメインになります。
LED
LED:なんでもいい
初手から説明が雑で申し訳ないんだけど本当にLEDはPPFD1000以上をキープできるのであればなんでもいいです
ネット上では「このLEDが最高!」みたいな素人の買い煽りが横行してて、僕自身も海外の工場に委託してパネルも電球も超高出力のオリジナルLED作って、挙げ句家の電気工事までして変圧器いれて115V稼働させてる人間ですが、PPFD1000は照射距離30cmのHASU38でも余裕でクリアできるラインなので本当になんでもいいです。(※40cm離した状態でもパネル型の全面で基準値をクリアしたいような場合は高額なカスタム機が必要)
よくSNSで使用レビューを投稿されてる格安系パネルLEDを買ったことがないのでそれらのPPFD値を僕自身は全く把握できてないのですが、仮に基準値をクリアできるのであれば数千円のものでも問題ありません。(※プレステラ90サイズでの子株育成に限った話)
僕はプレステラ90の棚ではkaijuフレアを使ってます
電球:AMATERAS20W,HASU38,オリジナル24W,オリジナル30W
パネル型:kaijuフレア,MarsHydro TS1000, TSL2000, オリジナル300W,ヘリオスPro303
他にも電球とパネルをいくつか買って、中には子株用のPPFD値1000すらいかなくて速攻で廃棄したものも数種類あるんですが上に挙げた製品は全て基準値をクリアして今自宅で使用しているものです
プレステラ120の棚は専用設計のオリジナルLED。このサイズになると光飽和点はいきなり引き上がります
パネル型ならヘリオスPROを至近距離で照射するか、もしくは普通に電球タイプのHASU38を使うのがオススメ
そして5号鉢以降になるともうパネル型はやめたほうが安全
品種とその株の活着具合と光合成速度にもよりますが僕の場合はHASU38を4-7cm程度の至近距離で照射しています
水
水:なんでもいい
水道水と井戸水で育成結果に違いが出るのかを検証するため庭に井戸をほったんだけど
ぶっちゃけ4ヶ月経過した現段階ではほぼ一緒
灌水に使用する水は水道水でも井戸水でもアルプスの天然水でもなんでもいい
とは言えたった4ヶ月で断定するのも難しいので検証自体は最低1年継続予定
湿度
38~45%
これはかなり大事な指標で、本当は何度も検証を繰り返す必要があるんだけど
とりあえず一旦この範囲に設定しています。
植物の育成に対して部屋の湿度が適正かどうかを判断する方法はシンプルで、CO2濃度の推移を確認するだけです
もし湿度が適正から外れていて
気孔からの蒸散量>根からの吸水量
という状態が続いてしまった場合
気孔開度が低下してCO2吸収阻害のトリガーになるためです
つまりCO2濃度を計測して順当に数値が下がっている(吸収阻害が起こっていない)のを確認できればとりあえずOKってことですね
本当は温度と湿度を組み合わせて飽差をしっかり計測する必要があるんだけど適切なCO2濃度の変化を確認できてるのであれば特に弄る必要はない数字です
でも70%くらいまで湿度あげて管理した株はたしかに成長速度だけで見ればかなり速かった(下葉の痛みも速かった)ので冬季以降で検証をはじめてみる予定!
温度
11月16日現在で昼間は室温25℃(LED直下の植物表面で28℃前後)、最低室温は18℃です
ただ現状は少し温度が高すぎるのでいくつかの実験株に関してはワインセラー内で夜間のみ15℃で管理しています。
この温度管理に関しては何の肥料を使うのかによっても大きく変化するポイントなのでそのまま真似するのは非推奨
例えば硝酸カルシウム系の資材を施用するなら硝カル自体が夜温が高い状況で植物体の上に移動してくる性質を持っているため徒長のトリガーになるケースがあります。
硝酸カルシウムはカルシウム資材のカテゴリであってもゴリゴリの硝酸態窒素ですから、前述の通り局所的に濃度が上がると窒素過剰の症状として徒長が発現します。
なのでカルシウムを施用する時期に硝酸カルシウムをチョイスするのであれば、その時期だけでも夜温が13℃程度になるようにワインセラーの庫内温度を調整することになるかとおもいます。
(カルシウム資材の数が多すぎて現在1つずつ検証を進めてる段階です)
昼間の温度についても22℃くらいまでは落としたいところですが、室内のLED発熱に対してエアコンの馬力が足りなくて25℃に留まっている状況です
ちなみに台湾にいって現地の趣味家やナーセリーを何件か訪問したところ、ビカクをガラス張りの冷蔵庫?みたいなデカいケースにいれてる人がいて、ビカクも24℃以下で管理するのが一番速いという意見を頂きました
その時に訪問したビカクの一番大きいナーセリーもかなり標高の高い場所(CJプランツの隣の山の頂上)にあって、巨大ガラス温室を全面遮光した上でLED管理+水冷・空冷の完璧な環境制御が整った状態で梅雨の真っ最中にも関わらず世界一快適なハウスって感じだったので、アガベだけじゃなくてビカクも言われるほど暑さは好まない植物なんだなと認識しています。
肥料
上で軽く触れたカルシウム資材以外にも色々試してはみたんですが目に見えて変化の大きかったものというのはありません
いや本当はあった!
これは台湾の羊角っていう品種で、子株のときから色んな欠乏症が同時に発症して展開した葉がそれぞれ黄変したり褐変したり黒く枯れたり、クロロシスとアントシアニンも満開で
もうこれは確実におわったやつやんって諦めつつも17元素の肥料をそれぞれ順番に試してたらいつの間にか復活してたっていう、
確実に肥料の作用が確認できた株の1つなんですが
ただ試した肥料が多すぎて、そのうちのどれが原因で欠乏症をケアできたのか未だに特定できてないんですよね
同じく台湾のホホジロザメも、巷でよく言われる通りにしっかり下葉が褐変して葉が展開するのと同じくらい枯れるスピードが加速していくっていう症状が発症したものの・・・
やっぱり羊角と同様に色んな肥料を投下しまくるうちに症状がまったくでなくなっていったので、何かしらの肥料に効果があったことだけは正しいんだけど原因特定には至っていないという状況です。
まぁでもそこは小学生の自由研究だから許して欲しい
あと化学肥料とは離れるけど一応有機肥料もちょっとずつ検証はしてて、飲食店から大量に出る生ゴミを発酵させてボカシ肥料つくったり普通に市販の発酵済み堆肥を比較検証してみたり光合成細菌の培養にチャレンジしてみたり
色々やってみたんだけどこっちは全く効果が確認できなかったのでやっぱり化学肥料が最高なんだよなって思いました!
ただ効果が確認できないとは言え検証スパンが短すぎるだけの可能性はどうしても否定しきれないので流石に熔リンとか腐植酸くらいは最低1年検証続けるつもりです
光合成細菌はもう無理!ドブの臭いがするから!
有機肥料というか用土というかも微妙なラインの話では竹炭とかカキ殻とかベラボンとか、ネットでそれっぽい効果が謳われる資材についてはすべて検証済みで、結果はまぁなんというか微妙でした。
竹炭も産地別で成分分析して何産の竹炭はカリが何%でナトリウムが草木灰より多くてph値が用土に与える影響が~~~みたいなデータをがんばって覚えてラベリングして実際に生育検証したけど、まぁ本当に微妙で語るべきものは全くなかったです。
せめて成功か失敗かどっちかわかる結果が欲しい。
というわけで肥料はめちゃくちゃいっぱい使いまくってるんだけど、いっぱい使いすぎてどの肥料から効果が出てるのか全く特定できてないのである程度の範囲が絞れたらまた別で紹介します。
一応現時点でわかってる範囲では、
・液肥を使う場合は普通に灌水するよりも葉面散布のほうが効きが速い
・その場合は飽差が大きくなったりCO2濃度が400前後まで下がる時間帯に施肥するべき
・単肥じゃなくて化成肥料や配合肥料を選ぶ場合は窒素の比率が低いものがベター
って感じです。
これは冒頭で紹介した1年育成のシーザー。めちゃくちゃ赤いですね。
なぜ赤いのかというと葉数だけ増えてもどうしようもないことに気づいた僕が胴切りして小さい鉢に植え付けたせいで元の6号菊鉢に入ってた状態と比較して根の量が全然足りなくて水も養分も吸えてないからです。
この個体の場合は毎日水をあげても赤味が全然ひかなくて、もちろん光量を落とせば緑に戻るのは当然なんだけど
でも光量は落としたくなかったので灌水頻度や温度・光量・湿度・炭酸ガス濃度など他一切の条件を変えないまま光合成のために気孔が開いたタイミングをCO2センサーで確認してから液肥を葉面散布
その3日後の写真がこれ
しっかり見ると若干の色素は残ってるものの、まぁ一目見て健康状態は改善されてるのがかわるので中々いいのではないでしょうか
惜しむらくはこの時に使用した配合肥料のレシピをメモってた《Litewrite》っていうツールがGoogleからスパム認定されて僕のChromeブラウザから二度とログインできなくなってしまったせいで今後同じ配合で作れないことが確定したことぐらいです
Litewrite、スパムな点にだけ目を瞑れば最高のメモツールなのでかなりオススメです!
肥料を使いすぎてどの肥料の効果が現れてるのか特定できなくなってしまった僕が唯一肥料散布に関して間違いないとオススメできるのがこの霧吹き
底面給水+葉面散布で1日2回(CAM型光合成のフェイズ1と4の時間帯)霧吹きタイムがあると一番困るのはレバー破損率の高さです。
レバーまでプラスチック製の霧吹きだと、あまりにも簡単にポキポキ折れるので
真鍮とかアルミ製レバーのものを探していたのですが低容量の商品しか見つからず、最終的にレバーなしの電池式の霧吹きへたどり着きました
あとリン酸に関して液肥の希釈水を用土に灌水するよりも葉面散布で与えたほうが吸収効率が高くて、吸収後の植物体内での移動もよりスムーズに全体に浸透していく様子が観察された
みたいな内容の論文があったんだけどどこで読んだのかは忘れたのでもし該当の論文に思い当たるものがある方はこっそり教えてください
ただ今年の夏から始めたビカクシダも毎日2回液肥を葉面散布するようになっていきなり成長速度にブーストがかかったので電池を2週間ごとに使い捨てる勢いで電動霧吹き使い倒してます
※当然ながらビカクはビカクで《温度・飽差・養水分・PPFD値・風量・照射時間》のパラメータに対して固有の適正値があってアガベとは違う時間帯で炭素同化してるので個別で調整する必要があります
炭酸ガス
ここまで文章を読み進めてくれた方に対してこんなこと書くのも申し訳ないんだけど
多分この炭酸ガス施用に関して僕の手法は全く皆さんの参考になりません
なぜなら僕は本当に無職で、ガチで1年365日部屋に引きこもって自分の口から二酸化炭素を供給し続けていて、しかも光合成が活発化する冬には2台の薪ストーブからも二酸化炭素が放出されるため、デフォルト状態で常に室内が高濃度の炭酸ガスに満たされた環境にいるからです。
通常は外気のCO2濃度が400ppmで、コロナ期に全国の飲食店に導入されたCO2センサーが1000ppmを基準に換気アラームが鳴るのですが
僕の部屋ではセンサー導入初日の初起動から1800ppmの計測値を叩いてアラームが一生止まりませんでした。冬は余裕で2000ppm超えます
ただ24時間365日部屋に籠もれない人向けに一応一般的な炭酸ガス施用について解説すると
ハウス栽培ではこういう機材を使用して炭酸ガスを供給することが多いです
ファンヒーターみたいな見た目ですね!
ちなみに中に灯油を入れてそれを燃焼させることで熱と炭酸ガスを放出する仕組みになってます
見た目だけじゃなくて機能もファンヒーターみたいですね
これはもう実質ほぼファンヒーターだし、むしろファンヒーターが光合成促進機だったみたいなところあります
とりあえず炭素を含むものを燃焼させれば二酸化炭素(か一酸化炭素)が出てくれるでしょうって気持ちで薪ストーブ使って色々燃やしてみたんですが実際に炭酸ガス濃度は上昇したので、同時に熱が発生してもいいのであれば炭酸ガスを得ること自体は容易です
ちなみに熱を発生させたくないのに炭酸ガスだけ欲しいっていうわがままな人向けの園芸資材も一応紹介しておくと、
重炭酸カリのカーボリッチは全国のJAでもロングセラーの定番商品です
カリを補給するための単肥で、水と反応することで二酸化炭素が生成されます(水にカーボリッチいれると炭酸泡がシュワシュワでてきて泡立ちます)
カリは微粉ハイポの配合比率6.5-6-19のうち19の部分で、アガベにとっても最重要元素にあたる栄養分(先の参照内にあるように「強光条件ではカリウム充足率が光合成速度の制限要因になる」)なので
どうせカリ資材を投入しないといけないのであればせめて重炭酸カリで申し訳程度にでも炭酸ガスを施用できたらいいかなという、おまじない程度の炭酸ガス施用にはなります
ちなみに微粉ハイポでカリが供給できるならわざわざ単肥のカリ資材使わずに微粉ハイポでいいじゃんって思う人が家庭園芸の分野で圧倒的多数なのは間違いないんですが、
微粉ハイポはカリ投下するために一緒に窒素も入れちゃうことになりますからね
カリウム欠乏は困るけど窒素過剰はもっと困るので、カリ資材に限らず単肥を複数種類使いわけての施用が安心なのは確かです
例えその結果使用する肥料の種類がとんでもない数にまで増えてしまい、結局肥料が効いてること自体は間違いないんだけどどの肥料が何に対して効いてるのか個別の作用は把握できない状況に陥ってしまったとしても・・・
おわり
いかがだったでしょうか
これはシーザーでの学びを活かして低窒素&高カリウム環境で作ってる途中の白犀牛です
まだ1年も経ってない子株サイズですが葉は小さいまま全体として白犀牛らしくまとまってきてちょうどここからって感じ
葉が伸びるといっきに密度感が薄まって没個性的な見た目になってしまうので、鋸歯の比率をここから最大化していけるように日々配合肥料と有機肥料の研究を進めています
そして今年の梅雨明けに2.5号鉢で買った初めてのウィンキーも今や割りとしっかり鑑賞して楽しめるサイズ感まで成長してくれました。
水やりのたびに水苔から湧いてくるトビムシに怒り狂う毎日を楽しく過ごしています。
ビカクもアガベも全く理解できていない初心者ではありますがこれからも引き続きゲームの合間に楽しめる範囲でゆるく遊べたらうれしいですね!おわり。
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