販売用の土の作り方、公開してみた。
- 2024.01.03
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こんにちは!よしのぶです!
以前から要望の多かった用土の販売をスタートすることにしました
とは言え土の郵送ってどうやってもコンパクトにできないので送料も高いですし、土の耐荷重に耐えれる防湿のパッケージも思ったより高額(コメリのオーダー米袋で200枚5万円)だし、
そのコストをペイした上で人件費を回収できる価格設定となるとどうしても園芸用土としては高めになってしまうので
この記事では土の作り方を解説します!
なので!僕も用土は小分けパッケージ(150×90×280mm予定)で販売開始するんだけど、割とガチで大量生産するのがしんどいので土が大量に欲しい人はこのレシピみて自分で作ってください!
販売時期はまだ詳しく決まってない!とりあえず作り方だけ公開します
普通こういう記事ってローンチとタイミング合わせて出すものなのにね
ベース用土
さて、用土レシピを公開するとは言ったものの
今回販売する最初の用土《よしのぶオリジナルブレンドソイル》のベースは既に公開済みです
上記記事では「蝦夷砂・日光砂・パーライト・ゼオライト・竹炭」の赤玉土なし培養土を紹介していますが
よしのぶオリジナルブレンドソイル(以下「YOBS」)もそのまま赤玉土なしの培養土となります。
ですので上記の記事内でも言及してる通り3号鉢の子株に対して使用する場合は赤玉土小粒を3割程度混ぜることを推奨しています
(※腰水管理の場合は3号鉢でもYOBSストレート使用で問題ありません)
そして配合に関する変更点として新たに「ようりん」と「腐植酸」を追加しました
ようりん!
ようりんは,どのようにしてつくられますか?ーようりんの主原料は,りん酸と石灰を含むりん鉱石と,けい酸と苦土を含むけい酸苦土含有鉱さいです。これらの主原料を電気炉または平炉で1,400℃前後でドロドロに溶かした後,炉外に導き水で急冷してつくります。
JA全農「ようりん」
BMようりんの主原料は,りん酸と石灰を含むりん鉱石と,けい酸と苦土を含む
けい酸苦土含有鉱さい,さらに,微量要素としてのほう素とマンガンを含むほう素,
マンガン鉱石です
成分はリンサン、マグネシウム、ケイサン、マンガン、ホウソで
リンサンと石灰を含むリン鉱石が原料となっているためアルカリ分が強く土壌の酸度矯正を図ることができます。
超硬質鹿沼土である蝦夷砂によって酸性に傾いた用土に対し、
更に定期的に液肥を投下することで元から弱酸性だった用土の酸度が加速的に上がっていくため
そういった状況を回避する目的でアルカリ性の土壌pH矯正資材として今回はようりんを選択しました。
石灰系の資材は他にも生石灰・消石灰・炭カル・苦土石灰などたくさんありますし、カキ殻等の有機資材を代替として使用する事例もありますが
今回はpH調整の他にく溶性のマグネシウム(苦土)が欲しかったのもあってようりんを追加しています。
なのでこの記事を読んだあなたがもし自宅で用土配合する場合に「うちで余ってるマグァンプKもついでに入れとくか!」みたいな独自アレンジを加えてしまった場合、
ようりんでpH調整してマグァンプKでく溶性マグネシウム追加するとマグネシウムを2倍入れてしまい、結果として養分の拮抗作用によりカルシウム欠乏を招く危険性がありますのでその点はご注意ください
マグァンプKで苦土成分を補給する場合はようりんではなく他の石灰系資材によるpH調整がオススメです
ただし生石灰とかは扱いがめちゃめちゃ難しくて、使用前の用土に混ぜ込んでから夏場に2週間くらい陽に当ててからじゃないと使用できないのでようりん以上に取扱い注意
腐植酸!
堆肥から腐植酸資材へ変更するか検討中。メリット・デメリットを教えてください
腐植酸が何なのかを知らない人はいったん上のQ&Aを開いてください
読んでもあんまりよくわからないと思いますが
まぁでもとにかくよくわからんけど植物に良いとされているなんか有機的な物質(の総称)です
「ビタミン」みたいなものだと思ってください
ビタミンも例えば「ビタミンA」とかって言いますけど、このビタミンAは総称であって個別の成分を指してないですよね
「レチノール」も「レチナール」も「レチノイン酸」も全てビタミンAという総称で呼ばれていて、腐植酸も似たようにいくつかの成分をまとめてそう呼称しているという形です。
Q&Aの中では「フルボ酸」と「フミン酸」という固有名詞が登場します
これらが腐植酸と呼ばれる成分の1つなんですが
こっちの名前は皆さんにもちょっと馴染み深いかもしれません
要は堆肥とかリキダスに含まれる成分です
リキダスが腐植物質の他にもカルシウムとか鉄・銅・亜鉛・モリブデンを一緒に補給したい消費者向けの製品であるのに対して、
カルシウムとかミネラルは個別に調整するからとにかく腐植物質だけ補充させてくれよ!という生産者向けの用土改良資材が堆肥とか腐植酸になります。
JAで「腐植酸ください」って言えば業務用の大袋で売ってくれます。
もちろんこっちもようりんと同様に
「うちはようりんじゃなくてマグァンプKだし、腐植酸よりもリキダスでいくぜ!!!」っていうパワープレイは可能です
ただリキダスは匂いを嗅いでわかる通り酸っぱい=酸度はそれなりに高いので、繰り返し使用していく前提なら土壌PHに与える影響が少ない腐植酸を単体でピックしたほうが半年1年単位で鉢植えの土壌環境を管理しやすいという点が今回の採用理由になっています。
あと腐植酸の主目的は根張りなんですが、リキダスの場合だと同時に葉もしっかり成長してしまうんですよね
これはもちろん消費者向けの製品としてリキダス1本だけ買えば根が充実して葉も茂ってくれたほうが大正義ではあるんですが・・・アガベに限定して言うなら同時に葉を展開させる成分まで摂取することが必ずしも良いとは限りません
前回の記事でも解説したようにリキダスに含まれるアミノ酸は「アミノ態窒素」の構造で植物に吸収されるため、窒素過剰の原因となる可能性が高いためです。
僕がどれだけ窒素のことを嫌いなのかは上の記事を読んでもらえたら多分わかるはず!
土の良し悪し、合う土と合わない土
インターネットで売られる多肉植物用の高額な培養土に対して「なんでこんな高いの?!」「何の付加価値がのってるの?ただのぼったくり?」「商品説明文を読んでも良い土だからっていうことしか書かれてない」
こんな経験ありますよね!僕もよくあります
本当にホームセンターの多肉用培養土と差別化された商品で、アガベに合う「良い土」なら多少高くても買うんだけど・・・そもそも「良い土」って何なの?!?!
この疑問を長年抱えたままの人もきっと多いはず
おめでとうございます!その疑問は今から解消されます
まず国内大多数の農家において、土が合っているかどうかを判断するために用いられる指標は「土壌分析」の診断結果です。
youtubeでもGoogleでも「土壌分析」とか「土壌診断」で検索してみたら無限に情報でてきます
農家がアップしてる動画だとJAでの分析結果が割合多いイメージですが、今や家庭菜園でも一般的に用いられる手法なのでJAに限らずコメリとかのホームセンターでも当たり前に普及したサービスと言えるでしょう。
その土壌分析では以下3つの視点からその土のステータスを数値で評価する流れになります
「物理性」と「化学性」と「生物性」の3つです。
物理性
とても簡単!
その土が特性作物を育成するのに対して適正な比重だったり排水性、保水性を持つのかをチェックする項目です。
僕が以前投稿した赤玉なしの培養土だとこの物理性に特化した配合になっています。
粒の砕けやすさとか微塵のつまり具合とか、数値に出ない指標も割りと大事
アガベに限定すると土1粒の硬さは結構大事で、主根・側根・毛細根でそれぞれメインの機能(吸収対象の元素)が変わってくるのに対してアガベは毛細根から吸収できる元素が最終的な草姿と密接に関わってくるので
主根を伸ばして新しい葉をどんどん展開させるというかは
毛細根を充実させて葉の繊維質よりも鋸歯部分(木質細胞)にアプローチしたいケースが比率として大きいと思います。
バーミキュライト/軽石/水耕栽培/水苔のみの4種類の環境で発根管理を行ったところ
水耕と水苔はダントツで主根が一番長く伸びていて側根や毛細根の比率が少なく、上記4種の中では軽石(+少量のゼオライト)で発根管理したケースが一番毛細根の発達を確認できました。
あとコスト的に再現性は皆無なんですが、3mmくらいに統一した竹炭をガバガバ追加した用土のテスト結果が毛細根の量に関しては最高でした
竹炭が高すぎてn<20株くらいのお試しテストしかできてないのでこのブログの読者にもし石油王がいたら竹炭式発根管理ぜひ試してみてください
多分竹炭に豊富に含まれるカリウムの効果で根の成長が促進されてるのも大きいとは思うんだけど、それよりもシンプルに通気性の良さとか物理的な特性もある気がする。物理特性だけで言えばベラボンプレミアムも似た資材なので(EC値が上がりすぎないように工夫した上で)ベラボン使ってみるのもあり!ベラボンプレミアムくそ高いけどね!!
化学性
土壌分析は提出機関やサービスによって多種多様ですが、この化学性診断が含まれない土壌分析サービスは存在しません
土壌分析=化学性分析、と言っても過言ではないほどに重要な項目になります
例えば株式会社国際有機公社の土壌分析サービスでは化学性分析の項目は以下の通りとなっています
EC、pH(KCL)、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、置換性石灰、置換性カリ、置換性苦土、塩基飽和度、塩基置換容量(CEC)、石灰飽和度、カリ飽和度、苦土飽和度、有効態リン酸、リン酸吸収係数、腐植値
ん~~~わからん!!
土壌分析サービスをお願いして、クッソ長い診断結果が返ってきて
それらの項目1つ1つに「ECは適正値より高いです。半分以下まで下げましょう」とか「CECは足りてないですね。抜本的な改善が必要です」とか書かれてたら、どうしますか?ゲボ吐きますよね!
ちなみにJAだと毎年土壌診断を受ける農家向けの分析サービスなので更に専門的な項目が追加されます(農林水産省の土壌分析でもここにCa/MgとかMg/Kとか追加されます)
ただ、これら分析結果に列挙されたよくわからない単語の1つとして適当に見逃しても許されるステータスは含まれません。
人間ドックにいって一泊二日の検査を受けてクソ長い検査結果を渡され、「血液の中のよくわからんこの成分だけ明らかに適正値を外れてるけどまぁそれ以外は概ね大丈夫そうだから実質ほぼ健康って言っても良さそう」とはならないですよね
わざわざ検査項目になってるぐらいなので当然全て重要なステータスです。
苦土が基準値より高ければ拮抗作用によりカルシウムの欠乏症が起こって芯腐れを起こすし
CECが低いと肥料分が流出する速度がはやすぎて追肥するだけ無駄で
窒素もアンモニア態窒素と硝酸態窒素どちらの形で含有されているのかによって対応すべきリアクションが180度変わってきます。
なので「良い土って何?」に対する答えはとてもシンプルで「化学性土壌分析の結果として各項目が適正値をクリアした土」が圧倒的な正解なんだけど・・・
ただここで一番残念なお知らせがあって、アガベの用土に関してはこの化学性土壌診断が正しく機能しません
受付カウンターまで持っていって「こういう土なんですけど分析かけれますか」って質問したら「ちょっと無理かも・・・上に確認してみます」→後日本部から「店頭での対応に不備があったみたいですいません。しっかり対応させて頂きます!」→「やっぱり無理でした^q^ほんとごめんて」
と、まじでよくわからんけどとにかく無理って言われました。
例えばpH計測なら田んぼとか畑の土を採取してから、水を含ませて泥だんご状に丸めていって
それで泥団子から絞った泥水の液体としてのpHを計測してから「水溶性のpHが7.0なんだから元の土のpHも7.0でしょ」みたいな
土そのものの成分分析というよりは水溶液の分析によって正しい計測結果を測定するスキームになってるんだけど
まぁ確かに!軽石と竹炭とパーライトにいくら水含ませて丸めても泥だんごにはならないし!ビーカーにいれてかき混ぜても水溶液にはならないよね!
なのでこの化学性分析に関してはもう用土全体の数値を正確に測定することはできません!
ただ不幸中の幸いというべきか、YOBSに関しては「蝦夷砂・日光砂・パーライト・ゼオライト・竹炭」の5種類 しか使われてないので用土全体の一括分析ができなくてもパーツ単体での分析はもちろん可能
日本土壌肥料学会の『鉢物培養土用各種資材の理化学的性質』のように赤玉土や鹿沼土、パーライトのpH、CEC等を一覧にまとめたデータはネット上にいくつもあるのでそれらを参考に構築を進めていきます。
例えば上の資料内だと武蔵野ローム産赤玉土小粒の塩基置換容量(CEC)は20.85[cmolc/kg]
CECはざっくり保肥力のことで、この数値が低いと追肥を投下しても土が養分をキープできずにそのまま鉢底から水と一緒に流れ出てしまっていることを意味します。
YOBSではこのCECを上げる目的でゼオライトを追加しており、200種類以上のゼオライトがある中から今回採用したイタヤゼオライトに関してはCEC 178 [cmolc/kg]
(参照元:ジークライト株式会社)
つまり、赤玉土の9倍くらい保肥力の強いゼオライトを使用しています。
そのためハイポ液肥1000倍希釈水をかけて風の弱い場所に数日放置するとあっという間に藻が繁殖してゼオライトが緑色になります
これはハイポ原液(6:10:5)に一番多く含まれるリンをそのままゼオライトがキープして局所的に藻類が繁殖しやすい条件が整ってしまうためです。(環境省「アオコってなに?」)
じゃあリンを入れたら藻だらけになるってこと?!?!って思われるかもしれませんが、安心してください
ハイポ液肥に含まれるリンは当たり前に水溶性で、水溶性だからこそハイポ原液は液肥として販売されてるわけです
もしこのリンが水溶性じゃなくて”可溶性”とか”く溶性”だったら当然その肥料は液肥にはなりません。水溶性じゃないリンが液肥として販売されてたらそれはもう「無線LANケーブル」みたいな話ですからね
つまりリンたっぷりの液肥を上から注ぐんじゃなくて元肥として”く溶性”のリンを最初から用土に元肥として混ぜ込めば・・・く溶性のりん・・・ようりん!!!
そんなわけで化学性土壌分析の項目である
EC、pH(KCL)、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、置換性石灰、置換性カリ、置換性苦土、塩基飽和度、塩基置換容量(CEC)、石灰飽和度、カリ飽和度、苦土飽和度、有効態リン酸、リン酸吸収係数、腐植値
をクリアするべく、「pHを調整して、石灰と苦土とリンを供給し、CECを上げて、不足しがちな腐食値をかせぐ」目的でようりんとゼオライトと腐植酸を採用しています
もちろんこの資材だけで上記の化学性基準項目を全て達成できたわけではありませんので
まだ残りの窒素とかカリとその他の微量元素に関しては用土ではなく追肥で補うスタイルでいきましょう
幸いゼオライトのCECが高いのである程度は液肥で調整することが可能です
あといい忘れてたけど竹炭の採用理由は「軽いから」と「カリ含有量が多いから」ですね
軽さだけなら竹炭じゃなくて木炭でいいし、木炭のほうが竹炭より値段も全然安いんですけどカリウム含有量が全然違うので不足分のカリを補いつつ物理的な軽さと通気性を向上する目的で竹炭を採用しています。
マジで高いから本当は使いたくない!でもカリウム系の資材って全般的に高いのよね・・・
生物性
土壌分析の最後の診断項目は生物性です
でもこれは鉢植えだと深く考えなくていいかも
主に病原性微生物の検査が目的で、例えば僕がアメリカ人の客からオーダー入って検疫証明書の発行のためセンターに問い合わせた時にアメリカの場合はセンチュウ検査しないと植物の輸出できないからまず土壌生物性診断してくれって言われました
ただ鉢植えの場合は鉢の土全部ひっくり返して殺菌液と殺虫液にドブ漬けしてしまえば強引に解決できるからね
たまに◯◯さんの培養土買ったら虫が湧きました、とかキノコ生えてきましたみたいなアマゾンレビューも一応カテゴリとしては生物性に含まれるのかな
対抗策はとても簡単で、水を張ったバケツに数十分ドブ漬けするだけです!
腐葉土や堆肥を使用するとキノコが生えたり夏場に嫌な臭いの原因になるのでYOBSではこれらの資材は不採用
これらはECやCECの向上と微生物の活性化を主目的として採用される土壌改良資材だけど、鉢植えのアガベに対して必要な基準値はゼオライトやようりん、腐植酸だけでクリアできるので腐葉土と堆肥は(試験の結果)構築から除外しました
ただ外管理の巨大ビカクとか、一部の植物では今でも腐葉土とか堆肥は使っています。
実際土壌改良資材としては相当優秀ですからね!虫と臭いとキノコが湧いてくることさえ除けば最高だから!
使い方
そんな感じでよしのぶオリジナルブレンドソイルの紹介と、ちゃんと土壌分析の診断項目に沿った配合で植物にも安心!的なアピールでした
改めてまとめるとYOBSは「蝦夷砂・日光砂・パーライト・ゼオライト・竹炭・ようりん・腐植酸」を配合した培養土で、
これだけだと硝酸態窒素・カリ・カルシウム・他微量元素が不足するので液肥を使用することで用土全体の化学性を管理しています
皆大好きハイポ微粉も商品説明欄に
【注意事項】
※水にうすめた時に出る少量の残留物は、主にリンサン成分とカルシウム成分です。
※これらの成分は水では溶けませんが、根から出る酸や微生物の働きによって、ゆっくりと効く緩効性の肥料成分です。
と記載されているように、実はカルシウム配合のカリ資材です(6.5-6-19)
しかも水溶性ではなく根酸と微生物によって吸収される”く溶性”成分
今更ですがく溶性は「水には溶けないけどクエン酸2%水溶液には溶ける性質」を指す言葉です。
溶けやすい順で水溶性>可溶性>く溶性
そして根酸の酸度が大体クエン酸2%水溶液と近似します
つまりYOBSにアガベを植えたら後はいつも通りハイポ微粉1000倍希釈水をあげるだけ!
ハダニ対策として10Lバケツに小さじ2杯のハイポ微粉を混ぜた水溶液をつくってそこにアガベを鉢ごと数分間漬け込むのもオススメです(パーライトが浮いちゃうから化粧石でカバーしてから)
ただバケツin方式の場合はく溶性の粉末が溶け切らずにバケツ内に残ってしまう形となり、できれば鉢の中まで浸透させたかったカルシウムが結局足りない問題が未解決なのでその場合はカルシウム単体の液肥を葉面散布してあげたほうがいいです。
先に解説した通りリキダスにもカルシウムは含まれているものの含有量は非公開になっているため、CaO8%配合(キレート処理済み)が公表されているアミノール化学のほうが間違いはなさそう
じゃあバケツにハイポ微粉溶かすタイミングで一緒にカルシウムエキス入れたら葉面散布とかしなくても一手で解決じゃんって思うかもしれないけど
バケツにハイポ微粉とカルシウム剤を混ぜた水溶液をずっと眺めてたら(無職なので暇なときは基本バケツ眺めてる)なんか水面に謎の固形物が浮いてくるんよね
これが僕の家の環境だけで起こってる現象なのか一般的に観測できることなのかはわからないので皆も試して結果でたら教えて欲しいんだけど、多分CaOとハイポ微粉に含まれるいずれかの元素が化学反応おこして別の成分に変質してるんじゃないかと思う。
ハイポ原液とリキダスも水に溶かす前に混ぜたらドロドロの謎液体になっちゃうしね
結晶化が起こるともちろん植物には吸収されないのでハイポ微粉とカルシウムエキスは別々に投与するのがベター
ハイポ微粉以外にもハイポネックスの業務用の肥料をいくつか同じ方法でバケツに溶かしてみてカルシウムと反応させた結果翌日まで結晶化が見られなかった肥料も一応あるので、
このあたりの肥料の最適解についてもまた改めて別の記事で報告予定です。
有機100%はドブの香り
店舗に来てくださったお客さんは御存知の通り実はうち飲食店をやってて
一応SDGs的な取り組みの一環として飲食店で出た廃棄を利用した自作の堆肥や有機肥料をそのまま家庭菜園に利用する循環型社会なんたらかんたらみたいな意識高い系暇つぶしで
有機肥料をそのままYOBSに混ぜて使ってみる的なテストも進行中です
ただ有機肥料を使うには微生物がもっと必要(有機肥料は微生物に分解されないと植物が吸収できる形にならない)ということで、その微生物の餌になる光合成細菌を自家培養で増やしてるんですが・・・臭い!
目隠しした状態でドブの水と光合成細菌の臭いを嗅いでどっちがドブか正解できる人はいないかもしれない
そのくらい、本物のドブよりもドブ臭い、ドブを超えたドブの臭いがします。
そのあまりのドブ臭さから2秒で心折れた僕は室内での実験を開始することすらできませんでした。
というわけで多分有機肥料の正確な試験結果が公表されることは一生ないでしょう
でも屋外で適当に有機肥料使ってるビカクはもう屋外雨ざらしのまま2年放置してるのにめちゃめちゃ元気に今日も巨大化を続けてて(いま余裕で1mオーバー)、ビカク本体に雪が積もろうがまったく枯れる気配がないので健康であることは間違いなさそう!
まぁ実際微生物は臭いだけどうにかしてくれたら本当に最高なんだけどね・・・
前述の通り微生物の働きは肥料に含まれる元素を植物が吸収しやすい形に加工してくれることで、
例えば水槽内の水草にハイポ液肥あげても水中に微生物が少なすぎて肥料の効果が全く出ないことからもわかる通り微生物は植物にとって結構大事な役割を担ってるらしい
じゃあ水草に効く液肥が全くないのかというとそれもまた違って、水耕栽培専用の液肥(オスモコートより全然高い)を買って試してみたらこっちはちゃんと効いてた
公式曰く水耕栽培液肥のほうは成分を全て微生物が分解した後の段階まで最初から加工した状態で配合してあるので土も微生物もない環境で植物に直接養分を吸収させれるとのこと
言ってること全然わからん!けど確かに実験したらその結果になってるから多分そうなんだとおもう!!!
つまり臭いを我慢して微生物資材フル投入で肥料の吸収効率を高めるのか、割高なコストを支払って最初から吸収効率の良い肥料を準備するのかってこと!
あけおめ
そんな感じで2024年も趣味としてエンジョイできる範囲で草育てて土弄って虫にキレ散らかしながら生きていく予定です
今年1年も無職継続できるよう何もがんばらずに遊び倒していく所存
このブログで解説したYOBSに関してはもう僕自身が1年くらい使ってるものなので在庫は普通にあるんだけど
パッケージがまだできてないので正式な販売は1月下旬あたりになるかとおもいます。
ビニールに入れてダンボールに詰めたのでいいから今欲しいっていう人は店にとりにきてください!
値段は2kg2,200円くらいになる予定だけどパッケージをどうするかとパッケージデザインに2色使うか3色使うか、販売がSTORESなのかAmazonかDM販売かによって変更になるので細かい部分は未定です
セミオーダーみたいなほぼ市販品のパッケージに文字の指定入れるだけでミニマム5万円~(コメリ「たった3ステップでオリジナル米袋が作れる」)
ちゃんとオーダーで自社ロゴ入れるサービスだと最小ロット1000で20万円~
米袋!!!高すぎぃ!!!!
あと売れたら自分で使う分の用土をまた作るために竹炭の大きさ揃えるところから始めないといけなくて普通に辛いの一回あたりのオーダー上限もあります。まだ確定じゃないけど多分100サイズのダンボール1箱分くらい(ダンボールも佐川の担当が見積もり持ってきたの開いて2秒で気絶しそうになった)
それ以上欲しい人は 自分で「蝦夷砂・日光砂・パーライト・ゼオライト・竹炭・ようりん・腐植酸」 を買って混ぜてください。用土の粒を3-5mmで揃えると50Lぐらい作り置きしても最後まで均等に混ざった状態で使えて便利です
間違っても竹炭をくん炭で代用することはオススメしません
くん炭は粉末が細かすぎてどんどん容器の下に偏っていくから本当にこの世界で一番使えない土壌改悪資材だとおもいました!
あけましておめでとうございます!
あと一応最後にこの用土のメリットを付け足しておくと
赤玉なしで全部の原材料が超硬質な用土なので根が分岐しやすいのと使い終わった後の用土も熱湯かけて石灰鋤き込んで天日干しすればそのままようりんと腐植酸だけ追加して使い回せるところです!
ハッピーニューイヤー!!!
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